人材不足の問題と一括りに言っても、中身は様々だ。
何年も人手不足が騒がれている業界もあれば、一時的に仕事量が増えたために人材確保が必要になるといった場合もある。また、医師やパイロットのように人気の高い職業であり、需要も増加傾向にあるにもかかわらず、なり手に優しいとは言えない環境がハードルとなっている場合も少なくない。
一人前に育つまでに時間がかかったり、厳しい試験があり門戸が狭かったりといった事情は、なり手の負担となり、結果的に人材不足を助長してしまっている。
解決していくには、それぞれの環境に合わせ対策を練ることが必要になるが、頭に入れておかなくてはならないのは、やはり人口減少に伴う労働人口の減少だ。
分母となる働き手の数が少なくなっているため、これまでと同じ様に人材を確保できると考えるのは難しいだろう。そのため、単に人材を増やす方向にだけ目を向けていては不十分だと言える。
人材の確保へ向けて動き出すと共に、仕事量や仕事内容を見直し効率を上げたり、量を減らす工夫もしなくてはならない。限られた人材をどの仕事に当てるべきか、どういった仕事を担う人材を育てたいかということを考えれば、様々なヒントが見えてくるだろう。
また、ロボットやAIの活用を視野に入れ、機械で代用出できる仕事に関しては減らしていくというのも、一つの選択肢となり得る。
人材不足はどの業種でも起きる問題であり、解決するには時間がかかることも共通している。人口減少という先を見据え、なり手を育てる環境作りや希望者を募り易くする努力を並行し、早くから対策を立てることが重要だろう。